バレエスタジオ施工事例

バレエスタジオ

Ballet Studio MIYU

地域    さいたま市南区

工期   57日間

 

 

 【施工内容】

S造1階  166㎡

・倉庫からスタジオへ改修

・Aスタジオ+Bスタジオ 

・スタジオ内トイレ新設

・ファサード(外部)リフォーム

・輸入壁紙使用

・リースエアコンは別途施主工事

 

 




お客様との出会い

ミユ先生からはメールでご相談をいただきました。

 

すでに物件は審査も通る見込みで、賃貸契約もまもなくだそうです。

そこで本契約を結ぶ前にエーゼンさんに内見をして頂きたいです。

バレエスタジオに適しているのか...費用はいかほどかかるのか...

 

 

広いだけでなく、高さもある倉庫物件です。オーツカとしても現調して感覚をつかみたいと思いました。

 

ただ一番の問題はスケジュール。

果たして希望の日程で工事が完成できるのかが悩みの種です。 

 

 

 

現地調査から着工まで

物件は防音的に好立地でした。

前後に道路があり、隣家は庭を挟んでいるのでクレームにはなりません。問題は隣の工場が長屋式に繋がり壁を共有している事。 

 

ミユ先生と一緒にお隣に行き、ラッキーな事にお話を伺えました。
B
スタジオの隣は会議室で常に使っているわけではない事

Aスタジオの隣は作業エリアで、音は気にならない事
貴重な情報が得られました。

 

とは言え、長屋式の界壁は隙間もあるので、ここはしっかり壁を建てたり、吸音のロックウールを充填したり対策は必要です。

 

 

 

ふたつのスタジオを持つバレエスタジオ

Aスタ、Bスタのプランはもともとミユ先生が希望していたもので

現地を確認して問題なくレイアウト出来る事が確認できました。


オーツカが気にしたのはふたつ

排水配管のルートと全体工程

 

講師室から入口側のトイレに向けて排水管を転がすために間仕切り壁の基礎に穴を開ける排水配管。

「大家さんの了解もらえるかな?・・・」

幸いなことに、間仕切り壁の基礎はブロック積でした。

これなら配管の大きさだけ壊しても問題ありません!

良かった~

 

もう一つの問題が全体工程

当たり前に工事をするとミユ先生の考えるオープンに間に合いません。

そこでBスタジオを先に引き渡して更衣室とトイレも使えるようにする。
Bスタ前を養生してレッスンしている奥でAスタジオを造る・・・

そういう工程で了解してもらえました!

 

 

工事の様子

バレエスタジオマイスター

「今日から新しい現場です!」


いつものSNS投稿から現場はスタートします。


それにしても天井高いなあ…
何をやるにしろ足場が必要

今回の工程は通常とは真逆。

普通は上から作っていきますがそうはしません。

床を先に拵えて、その上にローリング足場を設置して上半分を作っていく作戦で挑みます。

 

 

 

いつもの通りテープで墨出しをしていきます。

トイレがふたつ並ぶのですが

片方は柱型があって狭いので幅を広めにとって調整。

 

ここでは扉の開き勝手をどうするかしっかり確認してもらいました。

 

 

 

続いて設備配管工事

 

 

講師室からブロック基礎を突き抜けて

元あったトイレの排水管まで延長してます。

 

この勾配をぎりぎりまで抑える事で床の高さが変わってくるので

設備のMさん、腕の見せ所です 

 

 

一方Bスタジオでは天井下地が始まります

大屋根に吊りボルトを下げるために足場を組み

下地を流すために1段低くして足場を組み替え・・・

 

足場の上がり降りだけで

腿がパンパンになります

軽鉄のUさんホントご苦労様です!

 

 

上から見るとこんな風景

平らな天井からつるすのではなく

斜めの屋根下地から吊りボルトを下げるので、1本1本角度を調整してまっすぐにしています。

そうしないと天井のレベルが狂ってきますからね。

 

今回天井下地組を先行した理由はもうひとつあって

先生が手配したエアコン業者さんの配管作業のため

 

天井が低ければ下地が無くても先行配管作業が出来ますが

これだけ高いと仮固定する相手が必要です

 

 

 

隣りの工場と間仕切り界壁

Cチャンの胴縁に板金をビス止めしただけの壁です。

工場で良く使われていた仕様ですが上下の端部に隙間が出来ます。この隙間から音が隣に漏れていきますので遮音コーキングでしっかりふさぎます。

 

 

 

 

界壁の足元も隙間が空いていますが天井面に比べて空間が大きいです。

なのでここには発泡ウレタン充填。

気密を確保しました。 

 

 

 

スタジオの壁天井に、ロックウールを敷き込んで防音

断熱も期待できるので2度おいしい建材です。

 

 

 

一方、Aスタジオ側では講師室の加工がスタート

 

2階をロフトで使えるようにするため木造でがっちりこしらえます。コスパを考えるとCチャンを使った軽量鉄骨造もありなんですが、シャッターの取り合い補強ブレースをかわすことを考えると、事前に図面化するのは時間もかかるし、作図も難しい。

 

という訳での木造!

もちろんプレカットに依頼できませんから、現地で親方に加工してもらいます。

 

 

 

こんな風に鉄骨の柱やブレース、分電盤などを交わしながら建て方が進みます。


ボルトを締め付けられる角度も限られているので
加工の向きもバラバラ、新築だったらありえないですねww

 

 

AスタジオからBスタジオ側を見る風景

 

講師室の骨組みが出来ると

改めてAスタの天井の高さを再認識しますね

 

 

最初に設備配管した高さで床の仕上がり高さが決まります。

今回天井が高いとは言え、勝手口からの段差は少ない方がいいに決まっています。ぎりぎりの高さに抑えて床組をしてもらいます。

 

 

輸入壁紙選び

クロスの色柄を決めているミユ先生とマサコさん

 

事務所でカタログを見ているだけではイメージが湧かないので

いつも現地で、A4サイズのサンプルを並べて決めていきます。

 

今回は輸入壁紙も使うので、以前使った端材を壁にぶら下げて眺めてもらってます。

 

先生が帰ったあと、打ち合わせした資料を整理するマサコさん。

足場と資材に囲われる姿がシュールです

 

 

 

Bスタジオでは間仕切り作りが進行中

 

ガラスパーテーション風になるので

修正の間柱で精度よく作ります。

 

 

モールディングした後の塗装

 

良い感じになっていきます

 

 

 

クロスを貼って

 

 

 

TFリュームを貼って

 

 

 

バレエスタジオ 鏡貼り

鏡を貼れば

 

Bスタジオはほぼ完成

 

 

 

アンティークドアの額縁造作

こちらは玄関廻りの工事

 

アンティークドアを取り付けるための木枠を造作しています。

 

5角形の両開きドアなので

現物のドアに合わせて額縁を現地で加工していきます。

大工の親方の腕の見せ所!

 

 

 

アンティークドア加工

 

次は建具屋の親方の出番

 

アンティークドアはそのままでは使えないので

ドアハンドルや丁番を彫り込んだり、古い掘り込みを埋めたり加工が必要です。 

 

今回は表開きドアなので、合わせ部分を少し斜めに削ります

 

 

 

バレエスタジオ アンティークドア

 

扉自体が重いので吊り込みも一苦労 

 

 

 

バレエスタジオマイスター

玄関ドアも付いて戸締りが出来るようになりました。

 

とりあえずBスタジオが完成。
明日からレッスンしていただけます。

 

でも先生、絶対鏡には触らないでくださいね。

完全硬化してないので、歪んでお顔が曲がって写りますから・・・

 

 

 

バレエスタジオリフォーム 現地打合せ

さあ残るはAスタジオ

ローリング足場を使って上半分を拵えていきます。

 

照明器具をぶら下げる単管天井の高さをどのあたりにするか?足場に垂木を仮置きしてミユ先生と確認します。

 

 

単管パイプを井桁に組んで照明器具を取り付けるベースにします。

 

器具を下げる事でスタジオの床面に十分な光量を確保できます。

また床と屋根の間の空間に光源があるので天井を暗く見せる効果があります。

 

将来的にスポットライトや、スピーカーも増設する事が出来るので

まさに舞台の天井ですね

 

 

上半分に暗幕を取付け

 

これはミユ先生のお父様のアイディアです。

ローコストだし天井の広がりを感じさせる物なので仕上げ材としてはコスパが高いなあ・・・と感心していたんですが。想像以上に取り付けが大変でした。


普通のカーテンのように縦しわ(ひだ)が出ては変に光ってしまいます。暗幕を吊っている上部でも張りが弱いと横しわが出る。まして斜めの部分は難しい。吊元は斜めだけどカーテンは垂直に垂らす・・・図面で書くのは簡単ですが3m×6mの暗幕をローリング足場から引き回すのは難儀でした。

 

写真の右にある黒い板はパイプの上に流す足場板です。

 

 

パイプの上から見るAスタジオはこんな景色。

 

完全に舞台の上部セットです!

 

 

 

ロフトに上がる階段を造作して

壁紙も貼って

 

 

Aスタジオを見下ろせるロフトは舞台の2階席のようです

 

 

メンテナンス用にパイプの上には足場板があります。

下では鏡貼りの真っ最中

 

 Aスタもほぼ完成です

バレエスタジオミユはこれだけでは終わりません。

 

外部では化粧仕上げが着々と進みます。

 

 

 

ファサード(建物の正面)にはサイディングを貼って

 

 

 

大き目の骨材で荒々しい表面にしたジョリパットは2色に塗り分けてアクセントに

 

 

 

玄関土間はアンティークドアに合わせて石張り風にします。

 

こんな時はMさんの出番!
モルタルカービングで繊細な造形を彫り込んでいきます

 

 

 

アイアン塗料 エイジング

ゴージャスなアンティークドアにピカピカのオートヒンジでは似合わない。

アイアン塗料を塗ってエイジング

 

 

 

アンティークドアとモルタルカービング

土間も着色して玄関が完成

この扉に出会ったからこそのディテールです。

 

 

輸入壁紙

ホールを囲うようにテーブルを造作していきます。

 

ここではレッスンの合間にストレッチをしたり、
学校の宿題をしたり

リラックスできる空間になりそうです。

 

 

バレエスタジオ 外壁リフォーム

足場を外していよいよファサード全景が現れます。

オーツカも近寄ったり離れたり、右から左から全体を眺めてにやにやしています(後ろ姿ですが・・・)

 

 

バレエスタジオ 照明

ミユ先生が購入したブラケット灯を付けて外部は完成。

 

 

 

さあ、完成したスタジオに入ってみましょう!

 

ゴージャスなアンティークドアを開いて

 

 

 

バレスタジオ ストレッチエリア

 

入ってすぐ左側はコンパクトなBスタジオで、正面には広くて天井の高いAスタジオが見えます。

 

そのままストレッチ出来るように床はタイルカーペット敷きです。

 

 

 

バレエスタジオ ストレッチコーナー 輸入壁紙

広々としたエントランスでは生徒さんたちが学校の宿題も出来る長テーブルが更衣室の周りを囲んでいます。お洒落なブラケット灯と輸入壁紙でリラックスした空間で次のレッスンに迎えますね。

 

そのままストレッチ出来るように床はタイルカーペット敷きです。

 

 

  

バレエスタジオ エーゼン大塚建設

 

Bスタジオの内観

 

小さな生徒さんたちが可愛らしくレッスンを受ける姿が目に浮かびます。

 

ちょっと高めに取り付けた窓は、外からの視線をいい具合に遮るように、ミユ先生とシミュレーションして決めました。 

 

  

 

バレエスタジオリフォーム エーゼン大塚建設

 

Aスタジオに入って右側に講師控室があります。

天井が高いスタジオですから、暖房効率を考えてエアコンは床置きを提案してくれたそうです。

 

正面の鏡の左側(ちょうどオーツカが映っているあたり)はIKEAの扉鏡になっていて、そこを開けると元からあるドアが現れます。

緊急時の避難ロになったり、平時での換気にも使える便利な扉です。 

 

  

 

講師控室の上はロフト

 

レッスンの備品を置くだけでなく
カメラをセットしてレッスン動画を取るのにも使えそうです。

 

 

バレエスタジオリフォーム エーゼン大塚建設

広々としたAスタジオ

こんなスタジオでレッスンしたら

オーツカもいつも以上に踊れる・・・かもね

 

 

 

担当より

バレエスタジオマイスター 大塚健太郎

新スタジオのお披露目に招かれて、マサコさん一緒にオーツカは数日ぶりの現場に訪れました。

 

外壁には可愛い看板

玄関のアンティークドアにはクリスマスリーフが飾られています。

玄関が引っ込んでいるのは、ベビーカーを置くためだそうです。
子育て中のママさんが上のお姉ちゃんの送り迎えに来るんですね。

ベビーカーに乗っている赤ちゃんも将来レッスンに来るのでしょうか?

何かわくわくします。

 

玄関に立つと4か月前の現地調査が思い出されます。

元は製麺工場が入っていただだっ広い工場だったんですよね。

ノーヒントであったなら、どんな風に設計するかかなり悩んでいたと思います。

でも、すでにミユ先生はスタジオのレイアウトを考えてらして、ライトアップされた外観のパースまでお持ちでした。お父様が作ってくれたのだそうです。

 

そのパースを見たあたりから、

「これは面白そうだな・・・」そう感じるようになりました。


そのころ工事が重なり、スケジュール的に大変になるのは想像できたのですが

講師室の2階をロフトにしたり

スタジオの天井を舞台装置のように作ったり

アンティークドアや輸入壁紙を提案したり

そんな、面白い、楽しい気持ちがタイトなスケジュールを吹っ飛ばして
素敵なスタジオ作りが出来たのだと思います。

 

(写真は2018年のスタジオお披露目の様子です)


バレエスタジオマイスター

先生の声

 

バレエスタジオスタジオという特殊な環境を作って頂くという点で、見た目も実際の使い心地も満足できる建設会社はないかと吟味しておりました。知り合いのスタジオさんからもエーゼン大塚建設さんの定評を聞き、WEBのHPでエーゼン大塚建設さんを知り、すぐに連絡しました。

HPの施工事例をみて、たくさんのバレエスタジオを作られた経験と、ただ作るだけじゃなくしっかりとバレエスタジオの雰囲気も理解し、見た目と実際の使い心地両方がかないそうだと感じてエーゼン大塚建設に工事を依頼しました。

 

何よりも経験豊富なアドバイスで、隅々まで考えられたスタジオでのレッスンはとても快適です。誰が見ても「素敵ですね」と褒められるような世界に一つの特別なスタジオが完成しとても嬉しいです。何より些細な事でも全て「これはどうしますか?」と聞いて、意見を尊重してくれたので、まさに自分の好みにピッタリに作ってくださったのが愛着の決め手ではないかと思います。

肝心のレッスンスタジオも非常に踊りやすく、ただの工務店ではなくバレエスタジオに強いエーゼンさんにお願いして本当に良かったです。

 

 

 

~バレエスタジオミユ 片山 実優~

バレエスタジオミユさんのHPはこちら